<用語集>「上屋敷/下屋敷」「御役屋舗」

◆「上屋敷/下屋敷」とは

大名屋敷には「上屋敷」「中屋敷」「下屋敷」など複数の屋敷を持つのが一般的です。大大名の中には「下屋敷」を複数持つ大名もありますが、小大名の中には「中屋敷」などを持たない大名もあります。尾張屋版『江戸切絵図』では、名前の右上に「上屋敷」には「家紋」、「中屋敷」には「■」、「下屋敷」には「●」を追記することで区別しています。御三家の附家老も大名ではありませんが、家禄が万石以上ということで、同様の表記がされています。一方、旗本屋敷は原則として「上屋敷」のみとなりますが、大身の旗本の中には「下屋敷」を持つ旗本も確認できます。『江戸切絵図』における旗本屋敷については「上屋敷」には何も追記されず、「下屋敷」にのみ名前の右上に「●」が追記されています。稀に「上屋敷」は確認できず、「下屋敷」しか確認できない旗本も存在します。これは、実際に「上屋敷」が存在しないのか、めずらしくない頻度で発生する屋敷地替えと『江戸切絵図』の出版年の関係でどの絵図にも記載されていないのかは判然としません。

◆「御役屋舗」とは

旗本が就任する役職の中には、「御役屋舗」と呼ばれる役宅が用意されている幕職があります。代表的な「御役屋舗」としては「南北の江戸町奉行」と「火消役」の役宅です。『江戸切絵図』では発行当時の就任者名とともにこれらの「御役屋舗」が表記されています。また、一部の「勘定奉行」でも同様の表記が確認できます。これらの『江戸切絵図』で確認できる「御役屋舗」については、各旗本の記事の中で「別地屋敷地」として紹介するとともに、屋敷地推定地図の中でその場所を示しています。